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第432回高知市議会定例会 地震対策で機構改革や新庁舎建設基金

副市長に経済産業省から中嶋重光さん
行政のスリム化に逆行の職員定数条例

開催日:2012年3月6日~

 平成24年度一般会計当初予算や特別会計予算、新庁舎建設基金条例などを審議する定例議会は、3月6日開会、26日閉会の21日間開かれた。
 近い将来予想されている南海地震対策や総合計画2年目の関連事業など盛り込まれた予算審議が重要な案件であった。消防署所の再編計画のうち、長浜・春野地域をカバーする南部分署の用地取得を行い、26年度開所を目指し、浦戸分団屯所は高台へ移転することになりました。消防救急無線のデジタル化に取組み、凍結していた水道事業での送水管二重化工事を再開することにした。
 新図書館等複合施設事業については、実施計画に取り掛かり、平成27年度開館を目指すことになった。
 また、中山間地域では公共交通対策として新たなデマンド型乗合交通の実証実験が鏡や土佐山地区で実施される。
 また、職員定数条例の一部改正では、上限を2,860人とする改正案に対して、「市民130人に職員1人を」とする考えからは後退する者だとして、川村市議も加わっている新こうち未来は再考を促すために継続動議を発しました。
 また、議会最終日に追加提案のあった副市長には経済産業省から出向していた安藤副市長に替わり、同省の中嶋重光さんが選任同意されました。
3月市議会で個人質問をする川村貞夫市議

3月市議会で個人質問をする川村貞夫市議

地域コミュニテイの再構築について

地域の自治会としての町内会や自主防災組織はコミュニテイ団体であるか。

森田市民協働部長

「コミュニテイ」とは、一般に同じ地域に居住し、利害を共にして結びついている社会や集団のことを意味し、代表的なものとして町内会等の地縁組織が挙げられる。対義語として「アソシエイション」があり、共通の関心や目的などで集まった機能的集団のことを意味し、代表的なものにNPOが挙げられる。自主防災組織は「防災」をテーマとした機能的な集団でありますが、地域社会を基盤とし、その構成員が地縁による結びつきが強いところからコミュニテイの側面を持った組織として認識を持ったものと認識しております。

地域コミュニテイの再構築について

(2)PTAの組織は厳密に言ってコミュニテイ団体ですか。また、地域の体育会や子ども会等はどのように分類されているのか。

松原教育長

 PTAの組織は「保護者と教職員の会」で、厳密にはコミュニテイ団体とは異なると考えます。最近では、コミュニテイのCを加えた、PTCAとして活動するところも出てきている。
 また、コミュニテイという意味は「居住地域を同じくし、利害を共にする共同社会」と訳せることから、体育会や子ども会、青少年育成協議会はコミュニテイ団体の範疇に入り、本市では社会教育団体として位置づけております。

地域コミュニテイの再構築について

医師会や薬剤師会はコミュニテイ団体に入るのか。

舛田健康福祉部長

 社団法人である医師会や薬剤師会はアソシエイションであり、同一職種が共通の目的などで集まった組織である。

地域コミュニテイの再構築について

PTA組織の拡充策として現在取り組まれていることは何か。また、今後さらに充実したいと考えていることは何か。
教育長と市民協働部長にお伺いする。

松原教育長並びに森田市民協働部長

松原教育長 
 PTAの活性化についは、学校の充実・発展につながる。PTAが地域のコミュニテイ団体と連携を図ることで、地域の特性を生かした体験活動の実施や伝統文化の伝承、次代のコミュニテイを担う人材の育成など、地域の教育力の向上や開かれた学校づくりの充実につながってまいると考えております。

森田市民協働部長 
 多くの若い世代の方々で構成されておりますPTAの皆さんが、PTA活動で培った地域との係わりや経験を、その他の地域活動にも活かしていただきますと、地域全体の活性化にもつながってまいります。また、子どもをテーマとした地域活動には、幅広い地域団体からの参加が得られやすく、地域においては学校を中心とした活動の輪を広げていくことが非常に有効と考えている。

地域コミュニテイの再構築について

筆山の環境整備は、防災の観点から考えると危機管理室や総務部が係わるべきと考えるが、総務部長の見解を問う。

中沢総務部長

 避難路のある里山が地域住民に親しまれ、日常生活のなかでも環境学習やふれあいの場として利用されることは、いざという時の迅速な避難行動や日頃の維持管理・環境整備の面などの視点からも非常に重要と考えます。筆山周辺、特に潮江地区は概ね自主防災組織が結成されておりますので、今後の組織活動の一つとして、筆山環境整備への参画を働きかけてまいりたい。

地域コミュニテイの再構築について

鏡給食センターは、地産地消の観点を通り越して、地域の食材を、独自色を強めながら個別に購入する考えはないのか。

松原教育長

 鏡給食センターの食材は、鏡むら直販店から地域の食材を優先的に購入しており、生産者から「子どもを思いながら栽培している」という言葉に給食がコミュニテイづくりの役割を担っていると考えます。
 平成234年度から、調理業務が民間事業者に委託されますが、今後はこれまで以上に、鏡・土佐山地域に昔から伝わる「ジャガイモのころばし」「イタドリのシャキシャキ炒め」などの料理を地域の方々に教えていただき、学校給食に取り入れ、また鏡給食センター独自の献立実施についても検討したい。

地域コミュニテイの再構築について

龍馬の生まれたまち記念館は、まち歩きとセットになり効果を挙げている。今後、記念館を訪れる観光客に対するサービス強化策はあるのか。

古味商工観光部長

 土佐観光ガイドボランテイア協会の方々は、龍馬の生まれたまち歩き「土佐っ歩」の解説など記念館の魅力向上、観光客の満足度向上に大きく貢献している。一昨年は、龍馬の坐像を中庭に設置し、昨年は近藤長次郎像と龍馬の言葉が記された石碑の寄贈を受け、設置したことで、今では記念撮影のスポットとして新たな目玉となっている。
 24年度には、武市半平太直筆の掛け軸、河田小龍、公文菊遷の掛け軸を展示するなど展示内容の充実を図ると共に、「土佐っ歩」に「食」を絡めた新たなコースをスタートさせるなどさらなる魅力向上に取り組んでまいりたい。

龍馬脱藩150年から始まる龍馬年間について

坂本龍馬について学べる学校教材を整えるお考えはないのか。また、教育長自身は龍馬についてどのような人物であったと評価し、現代の子どもたちにどのような点で龍馬の生き様を教えたいと考えるか。併せて、研究校には八畳岩や田中良助邸などへの交通費を支給すべきではないか。

松原教育長

 平成13年度「小・中学生のための坂本龍馬物語」を作成し、1学級児童数分を小学校図書館等に備え付けとして整備している。県教委は「坂本龍馬を知っちゅう?」は、市内教員が数多く執筆、24年度小学校へ配布予定。道徳教育郷土資料集「ふるさとの志」でも坂本龍馬を取り上げている。
 龍馬の評価は、大胆な発想力と行動力で、新たな時代を切り開き、歴史的偉業を成し遂げた人物で、龍馬の生き様からは学ぶべきものが多くあると考えます。子どもたちには、無限の可能性を秘めていること。夢、希望そして自信と勇気をもって前進していった生き方、言い換えれば志を持つ大切さ。そして、多くの出会いを通して、人間として成長すること等を学んで欲しい。研究指定校の昭和小学校には、県立坂本龍馬記念館から教材研究費が助成されている。さらに、特色ある教育活動の取組みに対して、学校個性化推進事業として補助しております。

龍馬脱藩150年から始まる龍馬年間について

八畳岩やこれに通じる道は、梼原町の脱藩の道に比べて認知度が低く、龍馬へのこだわりや思いが薄いといわざるを得ないが、今後の取組みに対する所見を伺う。

岡﨑市長

 柴巻の八畳岩や田中良助邸は、龍馬が足を運んだ当時の状況が残る貴重な龍馬縁の地である。田中良助邸は平成14年に史跡指定を行い、私が観光課長当時に田中家からご寄付をいただき、その後復元工事を実施して、現在の田中良助邸資料館として、週末に見学できるよう施設整備を行いました。
 八畳岩や田中良助邸資料館を広く知っていただくため、24年度において「土佐っ歩」の特別コースとして、マイクロバス等を利用して八畳岩や田中邸、和霊神社など龍馬縁の地を巡るまち歩きを実施することとしています。
 和霊神社では、今月24日に龍馬脱藩祭が予定されており、地元の子供たちと一緒に脱藩シーンの再現を行っておりますが、現在、氏子の皆様や地元の皆様により、石段の改修が進められており、今週末には、神田の高神地区から和霊神社に通じる道を「龍馬脱藩の道」と名づけて新たに案内板を設置されると聞いている。
 龍馬脱藩150年を契機として、本市としても多くの観光客や龍馬ファンの皆様にお越しいただけるよう、縁の地の魅力向上や情報発信に取り組んでまいりたいと考えています。

就学前教育の充実について

教育長は今回の機構改革の中で、就学前教育班に寄せる思いや人的編成、活動方針など、どのようにお考えなのかお伺いする。

松原教育長

 幼児教育の充実を図っていくことは、本市が最重要課題として掲げている子どもたちの学力・体力向上のためにも欠かすことができない。保・幼・小の連携を図り「小1プロブレム」等の課題に対応していくため、幼児教育と小学校教育の滑らかで確実な接続を図っていくことが就学前教育班の使命です。
 班長1名と指導主事1名の2名体制です。
活動方針は
①小1プロブレム等の課題や保・幼・小連携の現状を把握する。
②子どもの感性に働きかけるフィンランドの幼児教育や仙台市のスタートカリキュラム等優れた先進事例に学ぶ。
③保・幼・小を「つなぐ取組み」として人をつなぐ、教育をつなぐ、保護者をつなぐ3つのアプローチを行う。

就学前教育の充実について

国の幼児に対する施策が目まぐるしく変わる中で、今後不断の努力を持って、幼児期の教育に携わっていこうとお考えなのか、改めて伺います。

松原教育長

 時代がどのように変わろうと、変わらない教育の価値があります。幼児教育の重要性は正に不易の部分です。子どもは社会の宝です。21世紀を担う子どもたちが、夢と希望をもって、心身ともに健やかに成長することを目指して、幼児教育の充実に取り組んでまいります。その中で、保・幼・小の連携はもとより、家庭や地域とも手を携えて、幼児期からの子どもたちの健やかな成長をを支援してまいりたい。

森のようちえんについて

若草幼稚園の活動をサンサンテレビが「森のようちえん」として放映したが、教育長はこの放映をご覧になったご感想をお伺いする。

松原教育長

 若草幼稚園では「森のようちえん」での実体験を積み重ねることで、子どもたちの好奇心や探究心を育んでおります。そうした、意図的・計画的な取組みの中で、子どもたちは五感を磨き、仲間と助け合いながら、共に生きることの大切さや喜びを知り、コミュニケーションの力やたくましく生きる力を身につけているものと考えます。

森のようちえんについて

幼児や小学生などがこうした里山での体験活動は、防災教育面でも非常に大切だと思われますが総務部長の見解を伺う。

中沢総務部長

 ご指摘の通り、環境学習や体験活動を通じて里山に親しんでおくことは、いざという時の避難行動など、防災面で大変効果があると思います。
 今後、里山など自然地形の高台への津波避難路や避難場所の整備を進めてまいりますが、完成後は、地域での維持管理作業や里山活動として活用される際には、子どもたちにが参加できるような方法についても検討いただきたいと考えております。

自然体験活動に対する学校現場の対応について

里山を使った森のようちえんや森林環境学習、さらには体験型の子ども祭などについて、今後、学校現場での対応や協力体制をどのようにしていこうと考えているのかお伺いします。

松原教育長

環境学習については、学習指導要領に基づいて、学校周辺の川やため池、山などをフィールドとして身近な自然の魅力や大切さを実感できる取り組みを進めております。
 現在、「高知県山の学習支援事業費補助金」を活用し、
(1)旭東小学校の甫喜ケ峰間伐体験
(2)一宮小学校の里山づくりを通した森林環境学習
(3)横浜中学校の森林海洋調査などがある。
 今後、さらに県の事業を積極的に活用していくことで、これまでの取組みに広がりを持たせたい。

再生可能な自然エネルギーについて

ダーバン会議で我が国が京都議定書から離脱したとしても、引き続いて温室効果ガスの削減に向けて、県・市が協力し合って、積極的に推進することが重要だと考えるが、市長の見解をお伺いする。

岡﨑市長

 昨年度、高知県は2020年までに1990年比で31%削減する目標を設定した。県民、事業者、行政等の三者で総合的に温室効果ガスの削減に取り組んで行くこととされている。
 本市でも、ゴミの減量化、リサイクルの徹底や清掃工場でのバイオマス発電や、量販店との協定によるレジ袋削減など、温室効果ガスの削減に積極的に取り組んできた。
 本年度は、さらなる温暖化対策に集中して取り組むため「新エネルギー推進課」を設置し、今後とも県と連携を図りつつ、温室効果ガス削減に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えている。

再生可能な自然エネルギーについて

小水力発電に対する市長のお考えを聞く。

岡﨑市長

 河川や水路等の水流を利用し、終日安定的に発電することができる。山間部の多い本県の特色を生かして小水力の導入を図ることとし、適地の可能性調査や事業化手法についての検討のほか、民間でも利用推進会議が設置され、小水力発電による地域の活性化を目的とした事業化に向けた検討が進められている。
 本市では、自然エネルギーの賦存量調査の結果からも、鏡川や春野地域の水路等可能性のある場所も少なからずありますので、地域住民の意向も踏まえ、県や関係団体と連携しながら事業実施の手法や可能性について、新エネルギービジョンの策定の中でも検討したい。

再生可能な自然エネルギーについて

木質バイオマス燃料の加温ボイラーの設置をモデル事業として導入する考えはないのか。
園芸ハウスに導入しない理由は、どのようなデメリットがあると考えられているのか。

水口農林水産部長

 新年度予算で「鏡文化ステーションRIO」の温泉給湯用ボイラーをLPガスから、環境負荷の少ない木質バイオマスボイラーに更新する予算(2,800万円)を計上していますが、本市の施設園芸では、木質バイオマスボイラーへの転換が進んでいないのが実情です。その理由は、初期投資が割高、燃料価格差、耐用年数、さらには排煙対策、焼却灰の処理費のほか、本格普及に燃料である木質ペレットの供給体制に不安があることなど考えられます。
 平成24年度からは、林業分野でさらに有利な国・県の支援制度が創設されるとの情報もありますので、県や農業団体等と連携を図り、制度設計の可否について検討していきたい。

財政問題について

財務部長は高知市の財政状況をどのように判断しているのかを問う。

黒田財務部長

 これまで徹底した行財政改革に取り組み、人件費については、中核市の中で経常収支に占める割合が最小のクラスになると共に、起債残高も着実に削減し、また、財政指標が改善するなど、危機的であった財政状況からは一定の改善が見られている。
 しかし、義務的経費である公債費は平成25年度にピークを迎え、扶助費についても高齢化の進展に伴い今後も増大が見込まれる。
 また、収入面では、市税収入の大幅な回復が期待できない中で、命綱である地方交付税の動向には十分留意していかなければなりません。
 25年度も38億6千万円の財源不足が見込まれており、国の地方財政対策の動向によっては、さらに不足額が拡大する懸念もあり、地方財政は今後も予断を許されない状況が続くものと考えます。

財政問題について

財政再建はなったと考え、財政規律を緩めることは、正に画竜点睛を欠くと憂いている。改めて、市長の見解を問う。

岡﨑市長

 私が市長に就任して以来、一貫して財政再建を最優先課題として掲げてまいりました。これまで徹底した行財政改革に取り組むことにより、定員適正化の推進による人件費の縮減や、新たな起債発行抑制による起債残高の削減など、本市の財政再建は着実に進展し、財政破綻という最悪の事態に陥ることは回避できていると考えている。
 将来に向けた安定的な財政運営のためには、気を緩めることなく、努力していくことが大切であります。
 喫緊の課題であります南海地震対策や、本市の行政課題の解消に向けた財源確保のため、今後とも人件費の適正化や公債費の縮減など徹底した行財政改革に継続的に取り組むとともに、支出負担の平準化に努め、また、国の動向等を十分に注視しながら、足腰の強い財政基盤の確立に取り組んでまいりますので、ご理解をお願いいたします。