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第416回高知市議会定例会 増税なき財政再建を急げ

財政、景観、環境問題で執行部を質す

開催日:2009年9月10日~

 第416回高知市議会定例会は9月10日開会、30日閉会の21日間開かれた。
 議会質問の形式が総括方式と1問1答方式のどちらを選択してもよいとことで、議員個人の考えで質問戦を繰り広げましたが、今回はどの議員も高知市の逼迫する財政問題を踏まえながら、新たに提案された景観条例、さらには新政権となった国政の動向を勘案しながら市政をどのように発展させるかについて岡崎市長の政治姿勢を聞く質問が多く投げかけられました。
清流クラブの川村貞夫議員は、景観条例に合わせる形で都市の緑化問題や地球温暖化防止に向けた環境問題、さらには市内を一巡してきた財政問題での市民説明会後の財政再建問題について執行部を質しました。
(詳細質問項目ごとの答弁は次のとおりです。)
一問一答形式で質問する川村貞夫議員

一問一答形式で質問する川村貞夫議員

街中の緑について

東京と比較して高知の町中の街路樹や植え込みの印象について、安藤副市長に問う。

安藤副市長

 東京はごみごみした大都会というイメージがありますが、皇居や新宿御苑、代々木公園といった大きな緑地があり、また表参道に代表されるような非常に緑あふれる街路も多く、非常に緑の多い都市です。

 高知市にも追手筋の見事な街路樹があり、高知城追手門や天守閣のたたずまい、日曜市のある景色と相まって、高知らしさあふれる見事な風格ある景観を演出している。私自身は大変気に入っている風景ですが、高知市の町中全体の印象といたしましては、緑が少ないように感じます。

電車通りの緑化について

高知市の中心部の電車通りは、電線の地中化工事も進み、林立する電柱も見られなくなった。しかし、街路樹は少なく、貧相な通りとなっている。緑化樹が多くいるのではないか。

安藤副市長

 私は高知に参りまして、南国らしい明るい花で飾られた通りを路面電車がせわしく行き交う風景というものには、大変好感を持ちました。
 町中の緑ある風景というものは、訪れた人に安らぎを与えるのみならず、町の景色の品格や風格を高めてくれるものであると思います。

中央公園などの木陰について

安藤副市長は、今年の第56回高知よさこい祭りに息子さん共々参加されました。休憩の中央公園や追手筋の緑の木陰をどのように感じられたのか?

安藤副市長

 よさこい祭りの踊り子さんたちは、暑ければ暑いほどエネルギーが充満して、さらに熱く踊るという感じで、毎年のことながらその熱気に感動している。
 日本一の太陽が照りつけるこの灼熱の高知で、緑の木陰の存在は本当にほっとするひと時を与えてくれるものであり、そのありがたみを大変実感したところです。

環境都市をめざした都市緑化について

環境都市をめざす高知市としては、都市緑化にまず取りかかり、具体的な行動を起こすべきではないか?

安藤副市長

 名古屋市や東京都などにおける緑化地域の指定というものがあります。この制度は、緑が不足している市街地などにおいて、一定規模以上の建築物の新築や増築を行う場合に、敷地面積の一定割合以上の緑化を義務づけるものです。
 高知としても、さまざまな制度を研究しながら、道路を含む公共公益施設や民有地の緑化について、有効なものは積極的に取り入れていく必要があると考えている。

追手筋歩道側の街路樹の剪定について

追手筋の歩道側に植えられているシマトネリコの枝を剪定したことで出店農家の方々とトラブルを起こしたのではないか。

橋詰都市整備部長

 追手筋のシマトネリコの剪定は、よさこい祭りのお客様を迎えるために、例年7月に実施していた。
 夏場の木陰の確保のため剪定時期を遅らせて欲しいという要望があった。そこで、本年度からよさこい祭りの会場は例年どおり桟敷席からの観覧に支障がないように7月に行い、それ以外の区間については9月末ごろをめどに剪定を遅らせることにしました。

景観条例について

都市の生活と憩いの空間との調和は極めて大事だと思うが、景観条例に対する基本的な考えを伺う。

橋詰都市整備部長

 平成8年度に都市美条例を制定し、個性あるまちづくりを進めてきた。平成16年に美しい国づくりや観光立国の観点から景観に関する基本的な法律として景観法が制定された。
 これまでの都市美行政の取り組みを継続するとともに、景観法の制度の活用を図り、緑や水辺等の自然、歴史性や文化的要素、優しさ、親しみさなど地域特性に応じたまちづくりに取り組んでまいりたい。

風致地区や景観地区について

今後どのようにして風致地区や景観地区を定めるのかその基準や方法を問う。

橋詰都市整備部長

 道路や河川等で市民方々が特に親しむ機会が多く、景観形成に効果が大きい地区等につきまして、地元の方々と協議を行いながら、高知城周辺やはりまや橋周辺で定めているような景観形成重点地区などのへの指定について今後検討していきたい。

高知駅前の緑化について

陸の表玄関として新しい高知駅の全体像が見えてきた。しかし、今の植栽では今後10年経ってもさほどの変化は見られないのではないか。
将来森の駅となるようにすることが夢のあることではないか?

橋詰都市整備部長

 南口は高知の玄関口として緑豊かな高知らしさをイメージできる明るい空間として、北口は北山の山並みとの調和に配慮し、潤いのある空間づくりに努めるというデザイン方針が定められた。
 現在、南口は大木になるクスノキ8本とナギ7本を交互に植樹している。北口にもケヤキやイチイガシなどを植栽するとともに、各種団体からご寄付をいただいたセンダンなどの大木になる木も多数植栽している。

学校の緑化について

1校1木運動として、それぞれの学校が特徴を持たせた学校の緑の景観整備を図るべきだ。
 また、グランド周辺の緑化樹の剪定はやめたらどうか?

松原教育長

 質問議員さんのご提案の趣旨に沿えるように、地域の方々と一緒になって、子どもたちと一緒になって、緑の環境整備に努めてまいりたい。
 また、学校グランド周辺の樹木の剪定については、できるだけ自然の樹木の生長に配慮した対応をしていきたい。

環境部の業務について

環境部はゴミの減量化とか有料化で忙殺されていて、とても環境や景観保護などといった新たな業務に手が回らないし、担当者を置ける職員配置ができる状況にままならないのではないか?

水口環境部長

 地球環境問題への対応等、取り組むべき課題も抱えておりますが、ご指摘のとおり限られた人数、体制の中で苦慮している状況です。

環境業務のリストラについて

思い切った業務のスリム化を図らなければ、新たな業務うを増やせる状況が生まれない。環境部は業務の再構築、リストラが進んでいない、従前の業務を従前の態勢のままにやっているのではないか?

水口環境部長

 ごみ、し尿の適正処理や廃棄物の不法投棄対策をはじめ、生活排水対策や鏡川を軸とする自然環境保全など、業務のほとんどが市民生活に直結している。
 新たな施策の展開や課題に対しては、その都度機構改革等により体制の見直しを行いながら取り組んできており、今後も市民ニーズに応えるべく総務部と協議しながら進めてまいりたい。

地球温暖化防止対策について

ゴミの収集運搬の定まった業務は民間に可能な限り任せて、公として税金を使わなければ成り立たない地球温暖化防止の事業や自然エネルギーの問題などにもっと真剣に取り組まなければ時代遅れになるのではないか?

水口環境部長

 高知市地球温暖化対策地域推進計画に基づきまして取り組みを進めているところです。
 限られた人数の中で、まだ十分な事業実績があがっておりませんが、今後は積極的に取り組むべき課題であると考えている。

太陽光発電について

環境都市高知市を標榜するなら、新築の住宅の屋根を高知市が借りて、太陽光発電施設を設置して、元が取れた段階で借主に無償で譲渡するこのような取り組みができないか?

水口環境部長

 資金の調達方法や建物の強度など、解決すべき課題がありますが、グリーンファンド方式、この手法につきまして研究していきますとともに、市民や事業所に対しまして国等の補助制度の周知の徹底あるいは公共施設等への導入についても検討してまいりたい。

家庭でできる温暖化対策について

市民の生活も環境にやさしい生き方をすると家計にも優しくなる。家庭では、節水、節電、生ゴミの堆肥化、家庭菜園の活用などできることは多いのではないか?

水口環境部長

 現在、ゴミ減量の取り組みとして「ゴミの達人」といった名称でモニターを募集している。また、よさこいエコチャレンジ2009として、家庭等で電気、ガスなどのエネルギー削減に取り組んでいただく事業も近々公募により実施することにしている。
 市民の方々に環境に配慮した生活、CO2の排出を抑制する生活に関心を持っていただくような啓発に努めてまいりたい。

温暖化対策の情報収集について

環境問題は地方都市である高知市の得意な分野である。環境省からの発信には特に注目して動かなければならないのではないか。
経済産業省出身の安藤副市長の率直なお考えを問う。

安藤副市長

 豊かな自然環境に恵まれた高知市は、温室効果ガス排出抑制を進めるに当って多くの可能性を持っている。産業活性化や観光振興にもつなげることができる、いわば攻めの環境政策というものが展開できるのではないかと考えている。
 本年4月から本市職員1名を内閣官房の方に派遣もしているところです。 

環境部の業務について

景観の問題とか環境の問題については環境部が担当するのがよいのではないか?

古味総務部長

 景観問題は、本市は都市整備と一体のものとして景観行政を捉えまして、現在都市整備部に担当部署を設けてきていますが、緑に象徴されます自然環境に関する部分につきましては、環境部や農林水産部にもかかわりますので、それぞれの専門分野を生かして、役割分担をした上でそれぞれの部署が連携、協力して、潤いのある良好な景観の形成に努めていく。

総選挙前の知事や市長などの動きについて

物言う地方の知事やあるいは中田前横浜市長らが地方の声を代弁したことについて、地方自治体の首長としてどのような見解をもたれているのか?

岡崎市長

 全国市長会も各政党のマニフェストを中心とする政権公約の調査を行うということで、5名の市長を選抜して、各政党の政権調査委員会を設置しておりますが、私もそのメンバーの一人です。
 各党にとりまして地方を重視した政策の取り扱いが大きな焦点となり、各党のマニュフストに地方重視の考えが盛り込まれたということで、前進があったものと考えている。

増税なき財政再建について

市長、ここらではっきりと増税なき財政再建を打ち出したらどうか、宣言する気持ちはありませんか?

岡崎市長

 現時点ではまだ本日新しい内閣が立ち上がりまして、総務大臣も本日決まると思いますので、総務省がどういう地方財政計画をつくっていくのか、まだ材料が非常に不足しておりますので、もう少し時間をいただきながら、材料収集をした上で決定してまいりたい。

市民の負託について

市民の方は「私たちは税金を払い、選挙において市長や議員を選んできた。市長や議員であるあなた方は、プロとして私たちの負託に応えていますか、ちょっと自覚が足らないのではありませんか?」という声なき声であろうと思います。
市民の負託に応えるということをどのように考えられておられるのか?

岡崎市長

 選挙という手段で直接市民から負託を賜り、またその観点で事業実施の納税をいただいている。
 財政再建で生み出した財源を次の新しい施策に振り向けていくということが一番の要点です。その点、財政再建を今後ともしっかりと取り組んでいかなければならないと、考えています。

300億円の財源不足について

高知市は5ヵ年で300億円の財源が不足するとしている。景気後退でさらに拡大するのではないか。
また、内230億円はめどがついたとしているが、議会もまだ理解も納得もしていないお金がどれくらい含まれているのか。

上田財務部長

 市税の不足が本年度で約7億円の減収が見込まれている。来年度は今年以上の減収が予想される。減収部分は一定割合交付税で補てんされたとしても、大変厳しい状況になることは間違いない。
 人件費38億円、事務事業の見直し30億円、公共事業の抑制52億円、など市民サービスにも影響する部分がどうしても出てくる。いずれにしても237億円の収支改善は何としても達成しなければならないと考えています。

予算の無駄について

高知市は毎年約1,300億円の予算を立てている。たった1%節減するだけで13億円ものお金が生まれる。
まだまだ、無駄ややめたほうがよいものがあると思うが?

岡崎市長

 例えば課内の人員配置についても、繁忙の時期が違いますので、そこがうまくカバーできるような人員態勢とその仕組みとか、まださまざまな部分で工夫が必要な部分があると思っている。
 例えば公用車をそれぞれの部局で共有するとか、また工夫はそれぞれ必要だと思っていますので、積極的にそういう無駄を1つずつつぶしてまいりたいと思います。

時間切れで財政健全化法に触れる恐れについて

財政再建策が執行部からの提案が遅く、議会も慎重審議で時間がかかり、結果的にタイムオーバーとなってしまうのではないか。市長はスピードを上げるように指示するつもりがないのか?

岡崎市長

 総人件費の抑制に向けて、給与水準をどこまで切り込むかということにつきましても、職員団体との交渉も始めなければなりません。今議会でも何回かご指摘をされておりますので、できるだけ早い段階で、それぞれの計画の内訳を議会にもお示しできるようにしたいと考えています。

公務のアウトソーシングについて

公務のアウトソーシングにスピードを持って対処すべきだ。旧態依然とした業務に終始していたのでは、いつまでたっても改革はできない。市長の見解を求める。

岡崎市長

 まだまだアウトソーシングの進行が遅れている状況もあり、その進行を進めながら新しい市民ニーズへの対応ということを当然図っていく。
 環境問題などの部分を如何に強化していくかということも含めながら、スクラップ・アンド・ビルドをしていかなければならないと思っている。