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第422回高知市議会定例会 望まれる県・市の連携

図書館問題に議論が集中

開催日:2010年9月9日~

 第422回高知市議会定例会は、9月9日開催、28日閉会の20日間にわたり論戦が繰り広げられました。今議会では、県と市が協議して図書館やナイター施設を造ろうとすることに対して論議が集中し、個人質問者18人の内7人がこの問題を取り上げて、執行部の考えを質しました。
 提出された補正予算や平成21年度決算、追加提出のあった人事案件などすべてを原案のまま可決しました。
質問をする川村市議

質問をする川村市議

京都議定書の進捗について

 尾崎知事は先のエコ議連とエコ協議会合同の勉強会で「景気後退もあるが、京都議定書を遵守する県として、高知県はマイナス6%を達成した」と胸を張った。高知市の実情はどうなのか、また、京都議定書に対してどのような進捗なのか、環境部長に問う。

明神環境部長

 昨年制定しました高知市地球温暖化対策地域推進計画において、市域で排出される温室効果ガスを京都議定書に沿いまして、2012年までに1990年比で6%削減することを目指します。
 現在可能な方法で温室効果ガスの排出量を試算したところ、2007年で246トンと1990年比5.4%の増加であるが、2004年から2007年にかけましては3.7%と近年逓減傾向にある。
 また、新設の低炭素都市推進室を中心に、実質的に使用量を低減させることが必要だと考えている。

CO2の吸収源としての森林整備について

 CO2の吸収が森林の大きな役割ですから、森林整備としての間伐が非常に重要となる。間伐の進捗状況を国庫補助事業等で進められているものと、環境先進企業との協働の森事業等での推進、さらに公有林や私有林に区分して報告をお願いする。

水口農林水産部長

 21年度の間伐の実績は、国庫・県単事業により133.55haで、この内、市有林が31.68ha、民有林が101.87ha、さらに県営事業分が54.89ha(内市有林22.85ha、民有林が32.04ha)があり、このほか県有林について緊急雇用事業で間伐したものが8.96haございますから、総合計で197.4haです。

 環境先進企業との協働の森づくり事業で平成21年度27.9ha実施している。これは、国庫事業等併用ですので内数ということになる。

森林整備(路網や間伐)について

 森林率84%の高知県は、森林整備を進めるだけで京都議定書の達成はほぼ可能となる。今後市として、間伐事業の取り組みや間伐を支える路網等の基盤整備づくりについて農林水産部長に問う。

水口農林水産部長

 森林所有者とつながりの強い高知市森林組合と連携して効率的、計画的に森林施業を行うため、森の工場として県の認定を受けるなど、国、県の補助事業の導入とともに、市単独の上乗せ補助を組み合わせ、森林所有者に支援を行うことで間伐や路網の整備を行うこととしている。

J−VER制度への取り組みについて

森林の間伐をすることで派生するCO2の吸収量を高知県のJ−VER制度に乗せることは、高知市の市有林でもできるのではないか。こうした新しい制度に農林水産部はなぜ取り組まないのか。また、現時点ではどこに問題があってできないのか、その理由を問う。

水口農林水産部長

 J-VER制度については、平成20年11月に環境省によって創設されました。21年12月には森林の温室効果ガスの削減、吸収量をクレジットとして、都道府県J-VERプログラムの制度が創設をされております。
 高知県は平成22年2月にこの制度の承認を受け、高知県オフセット・クレジット制度として運用されております。
 高知市の間伐予定面積301.4haがこのJ-VER制度の対象となります。県とも協議しながら、制度の導入に向けて積極的に検討を進めてまいりたい。

協働の森事業におけるJ−VER制度について

よさこいが取り持つ縁で協働の森事業でのパートナーズ協定を結んでいる原宿表参道の商店街組合の欅会などからJ−VER制度への要望があっていると聞く。この外の協賛会社についても農林水産部長はどのように対処されようとしているのかお尋ねする。

水口農林水産部長

 現在5企業、団体との間で市有林884.4haの内197haを対象としてパートナーズ協定を締結している。協定森林での間伐や作業道の開設、地元との交流事業などに使わせていただいている。間伐によって生み出されたCO2の吸収量を算定し、CO2吸収証書なるものを発行することになっている。
 本市としましても原宿表参道欅会様が非常に関心を示され、積極的であるという風にお聞きしている。その意思確認を行いまして、県とも協議を行い、対応を行ってまいりたい。

高知県のJ−VER制度の実績について

温室効果ガスの排出量を売り買いすることによって環境産業を興し、雇用を増やそうとするのが民主党政権での取り組みとならなければなりません。2020年までに温室効果ガスの25%削減という国際的な宣言が何の意味も持たなくなります。
高知県のJ−VER制度でのCO2の排出量の販売実績を農林水産部はどのように把握されているのかを問う。 

水口農林水産部長

 木質バイオマスを利用したクレジット分では発行量が5,920co2トン、このうち販売済みのものは18件で3,011co2トン、また県有林の間伐によります森林吸収クレジット分では、発行量は277co2トンで販売量は1件、25co2トンと聞いている。

次期総合計画における環境問題について

高知市の次期総合計画では「環境維新・高知市」を掲げ、環境問題で新たな展開を図ろうとしております。財政難の高知市にとって、売れるものは炭酸ガスであろうと何であろうと積極的に売っていくことが大事ではないか。環境部長のご見解をお伺いする。

明神環境部長

 これまで次世代によりよい地球環境を引き継ぐということで、温暖化対策の地域推進計画をもとに環境民権運動の推進、エコライフチャレンジなどの啓発活動に取り組んできた。
 今後は新たな総合計画の政策実現のためにさらに省エネルギーの推進、環境に配慮しました商店街の形成等の個別事業に積極的に取り組んでまいりたい。J-VER制度等の取り組みについては、農林水産部との連携をいたしましてともに推進してまいりたいと考えている。

行政改革の断行と環境問題について

環境問題、特に地球温暖化の問題で環境部長や農林水産部長にいろいろ尋ねてきたが、最近の市政運営は財政が窮屈になって、人員は削減された。従来の業務は仕分けができず、どの部署も従来からの仕事で手一杯で余力がない。
思い切ってやめる業務、縮減する業務をまず示さなければ、絶えず後手後手になるのではないか。遅々として進んでいない行政改革につまるところ問題がるのではないか、市長のご見解を求めます。

岡崎市長

 J-VER制度の導入については、我々も非常に関心を持っており、農林水産部を窓口に県と協議を重ねているところです。
 今ご指摘のとおり、既存の事業のスクラップアンドビルドというのは常に基本だと認識している。今後も積極的に行政改革を進めまして、新しい政策にも取り組んでいく、そういう予算と人材というところへもシフトしていかなければならない。

若草幼稚園のすくすくの森視察の感想について

松原教育長と依岡次長さんと一緒に若草幼稚園すくすくの森での野外活動をつぶさに視察されたのでご感想お伺いします。

松原教育長

 若草幼稚園のすくすくの森では、若いころ、自分が読んだ教育書であります、ルソーの「エミール」の世界観を感じたところです。その中に「自然を見よ。そして、自然が教える道をたどっていけ。自然は絶えず子どもを鍛える」というルソーの教育論が展開されておりまして大変驚いた。まさに、教育の原点を見る思いがしてきたわけです。

就学前の教育(幼児期の教育)について

学力テストの分析の中で、どうも就学前教育のあり方がその後の成績を左右しているのではないかとする新聞論調があるが、幼稚園と保育所を比較するのではなく、幼児期の教育はどうあるべきかについて教育長にお尋ねします。

松原教育長

 幼児教育を担う者として、これまでの幼稚園、保育所に加えて、その両方のよさを生かした認定子ども園も加わり、これまで以上に相互の情報共有と連携が求められている。
 子供たちが生活や遊びといった体験を通して、人間としてよりよく生きていくための基礎を獲得していくことが重要であると考え、そのことを小学校からの学びにつなげていきたいというふうに考えております。

保育所における野外体験モデル園について

里山保育を十分にしている保育所もあろうかと思いますが、モデル園等の設置を教育長は働きかけて、公立保育所の体験重視の野外保育を実証されたらどうか?

松原教育長

 現在の小学生や中学生の状況を見たときに、小さいころから感性を育て、豊かな体験から学ばせることの大切さを実感しています。
 ご指摘のモデル園の設置を含めて、今後市長部局と情報を共有しながら連携を深めてまいりたいと考えている。

学力のバランスについて

 学力は知識と体験のバランスが必要ではないか。現代っ子は、知っていることと、自分ができることとの乖離が大きいように思う。教育長はどのように考えているのかお伺いする。

松原教育長

 知・徳・体のバランスのとれた教育が求められていると考えます。知識や技能の習得はもとより、多くの人々とのかけがえのない出会いやさまざまな体験、さらには多くの書物を通して出会いを大切にしていく必要があるのではないか。
 特に体験活動は、自分と向き合い、他者に共感することや社会の一員であることへの実感から思いやりや規範意識を育むうえでも大切なことだと考えております。

家庭の教育機能や地域の連帯感の希薄化について

家庭の教育や保健の機能が崩壊し、地域の連帯感が薄れた中で、子供をどのように育てるかが今日の大きな教育課題であると考える。教育長のご見解をお伺いします。

松原教育長

 私も、これからの子供の教育は学校だけではできないというふうに考えている。単に学校だけでなく、家庭や地域と一緒になって育てるという風土を何としても作り出していきたいというふうに考えております。
 保護者は子供に対してより深い愛情を持って育てるという、家庭が家庭としての責任や役割をはたしていく、こういうことが大事ではないかなというふうに思います。

龍馬ゆかりの八畳岩について

丁度少年期から青年期にかけて龍馬が八畳岩から高知城を見、浦戸湾や太平洋を眺めたように上から下を見る、鳥になったように物事を大づかみする、つまり鳥の目を持つことが重要でないかと考えますが、教育長のご見解をお伺いします。

松原教育長

 八畳岩を訪れ、150年前の龍馬も見たであろう場所から、時を超えて、眼下に広がる景色を眺めておりますと、龍馬と同じような気持ちになったような気がいたしました。八畳岩から見下ろす城下は思いのほか小さく、少年「龍馬」がこうして城下を見下ろしながら、土佐を脱藩し、広い世界で生きてゆく決意をして、国家の枠組みを構築する視野を持った人物に成長していたったことを考えますと、感慨深いものがありました。
 子供たちには、ぜひ、しっかり勉強して、龍馬のように、広い視野で、物事を考え、進取・自立の精神に満ちた人生を歩んで欲しいと思っています。

県と市の連携・協調の行政推進について

現在の県・市の強調的な信頼関係を市長自身は、どのように考えられ、どのように発展させようと考えておられるのかお尋ねします。

岡崎市長

 県都の高知市と高知県が、お互いにヘチを向いて、バラバラな政策をやっていては、県、市ともになかなか発展できていかないと考えております。
 県市共通の課題につきまして忌憚のない意見交換をさせていただいている。
 日頃から各部局の幹部同士の会議においても、県市共通の課題に対して情報交換などを頻繁に行っており、お互いに情報を共有しながら、県市で協働し政策を推進していきたいと考えております。

県と市の連携・協調の行政推進について

医療センターは、県立病院と市民病院を別次元で結び合わせたもので、高度医療や緊急医療、あるいは最近は周産期医療などで大きな力を発揮している。
このような新たな施設に県市が協調してつくり上げていく意思とか思想というものが図書館やナイター施設にあるのかどうかお尋ねします。

岡崎市長

 医療センターの開設のときも、県立病院と市民病院を初めて全国で統合するということで、反対意見を含めさまざまなご意見があった。今現在医療センターはなくてはならない、命を救うための高度医療の機関として立派に活躍している。
 県立、市立の全国で初めての図書館のあり方、この21世紀型の図書館を造っていくんだという、その理念を持ちながらさまざまなご意見をいただいて、具体化していくことが大切だというふうに考えております。

県市の図書館について

図書館は、目的というより手法が先行している目に映る。合併特例債の期限が迫る中で、手段的には特例債を適用したい施設であるが、やはり内容を目的に沿って詰めていく必要がある。そのための体制づくりとスケジュールについて問う。

岡崎市長

 県立図書館の機能、また市立図書館の機能をそれぞれ明確にしたうえで、その機能をさらに高めていくことを目指します。
 本年度の基本構想の策定、23年度から24年度に基本計画、基本設計、そして実施設計を行いまして、25年から26年にかけて建設工事を行う予定です。

野球場のナイター施設について

野球場へのナイター施設は、県工業会からデマンド照明として提案があった。
市長は工業会ともじっくりこの点で話されたのか、また各部局とも十分に調整をとられたのかお伺いします。

岡崎市長

 今年5月に、県工業会から汎用クレーン車に照明装置を装着する移動式照明設備のご提案をいただいた。内部で検討を進めた結果、夜間照明が急に必要になることや、維持管理費が固定式に比べ5~6倍かかるという問題等から、野球場へは固定式の照明設備を設置することとしました。
 改めて、工業会の方々とは時間をとりまして、意見交換をしたいと考えています。

県市の人事交流について

県市が連携をさらに深めるためにも、職員の交流も是非進めてもらいたい。特に、高知市には専門性を持った林業職員はいませんから、県から派遣していただくことを考えたらどうか。市長のご見解をお伺いします。

岡崎市長

 県の東京事務所に1名、土佐・龍馬であい博推進課に2名の職員を派遣している。高知市の地域コミュニテイ推進課と地域保健課にそれぞれ1名を高知県から派遣していただいており、相互の協力をしているところです。人事交流は活発に行ったほうがよいと思っております。
 森林行政の推進を図るために専門職が必要だと判断したときには、二通りの考え方があり、県から派遣して人事交流を行う場合、林業の専門職を市として採用する二通りの考え方があります。
 今後林業のいわゆる専門担当職員をどういうふうに育成をしていくかということを含めまして考えて生きたい。